ノロウイルスはいったいどこから来るのだろうか? [暮らしの情報]
今年もノロウイルスによる食中毒が本格的な流行を迎えています。
静岡・浜松市の公立小学校14校で1月16日、905人の児童が下痢や嘔吐を訴えて欠席し、12校が学校閉鎖、2校で学級閉鎖となった。児童からはノロウイルスが検出され、原因は給食用の食パンだった。
京都市伏見区の蘇生会総合病院と京都市は22日、昨年12月から同病院の入院患者や従業員計101人が感染性胃腸炎を発症し、うち80~90代の男女の入院患者4人が死亡したと明らかにした。発症者8人からノロウイルスが検出された。
山形県は20日、山形県上山市の温泉旅館「あづま屋」に宿泊していた男女計84人が下痢や吐き気など食中毒の症状を訴え、11人からノロウイルスが検出されたと発表した。
東京都は、昭島市のホテル「フォレスト・イン昭和館」に入っている中華料理店「花林」を利用した客54人が下痢などの症状を訴え、25人からノロウイルスを検出したと発表した。
青森県でも19日夜、八戸市白銀町の飲食店「和」が調理した弁当を食べた男女77人が食中毒を発症。このうち25人からノロウイルスが検出された。
広島県で今月24日発生したノロウイルスによる集団食中毒で、臨時休校
埼玉県によると、幸手市の老人ホーム「ヒューマンサポート幸手」で24日に「入所者に嘔吐や下痢などの症状がある」と職員から通報があった。保健所が調べたところ、入所者ら23人が症状を訴え、このうち4人からノロウイルスが検出されたという。
福岡県朝倉市の医療機関で、感染性胃腸炎の集団感染が起きていたことが27日までに分かった。福岡県によると、この医療機関の患者や職員計21人に、嘔吐や下痢の症状などが見られ、このうち9人からノロウイルスが検出された。
このほか、北海道、京都、和歌山など日本のほとんどの県でノロウイルスによる食中毒が報告されている。
感染者が近くにいると感染力が強いウイルスなので感染するのは理解できるが、
日本のあちらこちらで、同時期に勃発したのはなぜだろうか?
ノロウイルス
ウイルスはどこかに潜んでいるのだろうか?
このウイルスは乾燥した状態でも、4℃では8週間程度、20℃で3~4週間生存するとされている。
そもそもの歴史は1968年、アメリカ合衆国オハイオ州ノーウォークの小学校において集団発生した急性胃腸炎患者の糞便から初めて検出された。
日本では、1977年、北海道札幌市で幼児に集団発生した
感染から発病までの潜伏期間は12時間~72時間(平均1~2日)で、症状が収まった後も便からのウイルスの排出は1~3週間程度続き、7週間を越える排出も報告されている。
年間を通じて発症するが、11~3月の発症が多く報告されている。
主な症状は、突発的な激しい吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、悪寒、38℃程度の発熱で、嘔吐の数時間前から胃に膨満感やもたれを感じる場合もある。これらの症状は通常、1、2日で治癒する。
また感染しても発症しないまま終わる場合もあり、風邪症候群と同様の症状が現れるのみの場合もある。
一般に「嘔吐、下痢、腹痛を伴う風邪」という表現があるが、それらが実はノロウイルスによる感染症の可能性も低くはなく、単なる風邪ではない場合がある。
これらの人でも、糞便中にはウイルス粒子が排出されている。
感染経路は、経口感染が原因で、
ウイルスを蓄積した食材およびウイルスで汚染された食品を喫食して感染。
水道水、井戸水などがウイルスで汚染され、その水を飲み感染。
ヒトからヒトへの感染などである。
日本では、カキなど魚介類の汚染源は下水道の処理水に由来している。
下水処理場で処理しきれなかったウイルスは海や上水道の取水施設に流入する。
一方、下水汚泥や糞尿の海洋投棄が行われている場合、水域全体がウイルスにより汚染されている場合がある。
治療では有効な薬は存在しない。
下痢がひどい場合には水分の損失を防ぐために経口補水液またはスポーツドリンクを人肌に温めてから飲む。
これらが無い場合は0.9%の食塩水(100 mlに食塩0.9gを溶かしたもの生理食塩水)を調製し、人肌に温めて飲む。
また下痢止めの使用については、ウイルスを体内にとどめることになるので用いるべきでないと言う専門家もいる。
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